長持ちする中学受験 4


前回、3歳の後半から始めた場合のシミュレーションを、と書きましたが、読者の方から、継続性についてのご質問がありましたので、先にそちらを書きます。


幼稚園において、小学校過程を先取りして、足し算・引き算のみならず、九九が言えて掛け算ができる、などという幼稚園児が少なからずいます。

幼児教育などで、余りのある割り算のひっ算までできるような幼児もいます。

そのこと自体を批判するつもりはありません。それはむしろ素晴らしいことなのですから。

けれど、その先をイメージしてみてほしいのです。


小学校に上がって、授業が始まると、義務教育ですから基本は最初から始まります。私学の学校などで、最初は飛ばしたり、進度が早かったりはあるにせよです。

お子さんはどうなるでしょう?


小学校で九九を覚えるのがいつかご存知ですか?

割り算のひっ算(最初は余りがないものをやりますが)の授業はいつになるでしょうか?


九九は普通、2年生の2学期です。割り算のひっ算は4年生の1学期。

そのころまで、小学校とは別のところで、そのまま「学び」(広い意味ではなく、幼稚園からやっていた小学校の内容の「学び」)が続いてゆけば、「小学校とはそんなところ」ですむのかもしれません。


けれど、小学校の課外活動や、スポーツ系や芸術系の習い事など、いまの小学生は忙しい。

するとその「学び」は、大きく停滞します。

文科省のカリキュラムは、義務教育(イコール最低限の学びといってよいと思います)というしばりがあるために、小学校においては非常にゆっくり進みます。中学校になれば、それなりに加速しますが、義務教育のしばりがはずれた高校になって、劇的に加速するのです。そして、大学受験はその先にあります。


幼児期にせっかく加速した「学び」が滞ってしまうのはもったいないですが、それどころではないのです。

小学校に通ううちに、お子さんが知らず知らずのうちに、ああ「学び」ってのはこんな楽なものなのか、こんな簡単なものなのかと、認識してしまうことが、あとあと大きな問題となる。


大変で苦しいより、簡単で楽な方が、よさそうに思われます。

しかし、幼少期において、強いられるのではなく本能で、自ら進んでワクワクしながら、自分の限界に近いところで、大変なことを大変とも思わずに楽しんでいたお子さんが、小学校に通う間にそれを忘れて怠惰な方向へ大きく変わってしまう。

そして、中学校に上がり(場合によっては高校に上ってから)もういちど「あのころの状態」に戻れるかというと、そこがなかなか難しい。

だから、幼児期に加速したなら、そのまま無理のないペースで学び続けた方が、絶対によいのです。


だからこそ、小学校の低学年から、大手の「中学受験指導塾」に通わせる親御さんが多いのですが、それはそれでまた、いろんな弊害があります。(大手の「中学受験指導塾」を批判しているんではないのですよ。)

次回はそのあたりを。。。



あなたのお子さんの中学受験が、幸せで実り多く、長持ちするものとなりますように!



別のブログも書いています。

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本家のアメブロ(今はKIDS期の教育について書いています。)

難関国公立大学受験ついて







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